2021/07

人が考え始めた時

歴史上の人物、例えばブッダとかキリストとか、ソクラテスとかプラトンとか、学校で習った頃には、遠い遠い昔の人という感じがしませんでしたか?紀元前と聞くだけで、なんだか、自分たちの暮らしとは途方もなく違っていたというイメージしか浮かばないような。

そしてふと何かの折に、そんな大昔の人たちが、そんな大昔に、そんなこと考えてたんだ…というような、ちょっとした驚きに出会うこともあったりします。あのブッダの前にも宗教があって、ソクラテスの前にも思想家はいたのですよね。一体人は、いつ頃からものを考え始めたのでしょうか?

■人類の始まり

まず、人類がこの地上に誕生したのはいつ頃でしょうか。46億年前に地球が誕生し、そこに生命らしきものが登場するのが35億年前。最古の人類(猿人)の化石は約700万年前の地層から発見されたとされていて、約240万年前になると、人類は火やちょっとした「言語」を使用し始めます。

そしていわゆるホモ・サピエンス(新人)が登場するのが約20万年前。この頃には現代の人類と脳の容積もほぼ同じだったそうです。代表的なのは「クロマニョン人」で、「アルタミラ」「ラスコー」の洞窟壁画が描かれたのが2万年から1万4000年前くらい。

いよいよこの頃から人がものを考えながら生活をしていく段階に入っていったように見えますが、この後地球が温暖化したことによって一気に人口も増え、狩猟・採集をベースに生産経済が始まります。それが約1万年前のこと。ここが現代のライフスタイルの原点と考えられているそうです。

■文明の始まり

2万年も前から、人があんなにいきいきとした絵を描いていたことを思うと、2500年前のブッダが割と最近の人のように思えてきます。それでは次に、文明がいつ頃はじまっていったのかということを見てみます。

世界史を「ヨーロッパ」「中東」「インド」「中国」と分類すると、最初期の文明は順に「エーゲ文明」「メソポタミア文明・エジプト文明」「インダス文明」「黄河文明・長江文明」となるかと思います。これらがはじまったのが、ざっくり言って紀元前5000年〜紀元前2500年くらいのこと。なので、例えば宗教・哲学・神学といった分野を考える場合、この辺りがポイントになってくるのだろうなと思います。

ソクラテスがあれこれ思索していたのが2400年くらい前だとして、そこから更に2000年以上前には既に、王権による政治が行われていたなんて…。江戸時代とか、昨日みたいなものですよね(笑)

この次に、哲学の始まりについても少しまとめてみたいと思います。